本研究会は、科学的なリハビリテーションを確立することを目的の中心に据え、「臨床研究」と「基礎研究」の2つの柱を立てて活動してきました。この両者における知見の情報交換は、リハビリテーションにおける問題点を解決に導くうえで大変重要であると考えています。実際の現場では、これまでに報告が乏しい症状や考察に難渋する症例など、多様な臨床問題にしばしば直面します。また、経験的には良く知られていても、その背景となるメカニズムの理解にまでは至っていない症候なども数多く存在します。このような臨床問題を多職種に向けて投じることは、職種の壁を越えた議論の波紋を生み、問題解決の糸口に繫がることが期待されます。
第24 回脳機能とリハビリテーション学術集会では、『臨床問題から拡がる多職種ネットワーク』をテーマに掲げました。参加者間でのコミュニケーションが生まれやすくなるように、ポスターセッションの座長制や本研究会が軽食を準備するランチタイム制を新たに導入しました。活発なディスカッションとともに、新たな出会いや繋がりが生まれる機会になれば幸いです。
教育講演では、高次脳機能障害研究の最前線でご活躍されている 前島伸一郎 先生にご講演を頂きます。シンポジウムでは、2名の若手コメディカル研究者に大脳基底核を中心とした基礎研究の最先端についてご紹介して頂きます。イブニングセミナーでは、湧井 健治 先生をお招きし、脳神経外科手術の実際について動画を交えながら解説して頂きます。一般演題では、過去最多のエントリー数となり、たくさんの大変興味深い発表が集まりました。
是非、大勢の方々にご参加いただき、本学術集会を参加者相互の情報交換の場としてご活用頂けたら幸甚です。スタッフ一同、有意義な学術集会になりますよう、万全の準備で皆様のお越しをお待ちしております。
2017年7月吉日
第24回 脳機能とリハビリテーション学術集会 大会長
村山尊司(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
第24回学術集会の詳細・プログラムはこちら
http://noukinou.main.jp/24g/